2026年8月15日。ラボ開設から1週間で、一番手塩にかけたEAを殺すことになりました。
MomoM1というEA
USDJPYのM1足で「3本連続同方向に動いたら順張り」というシンプルなモメンタムEAです。v4.02の時点でバックテストは10,946取引、PF1.128、純益+364,644円。取引数が多いので統計的にも信頼できる——そう思っていました。8月上旬から最小ロットでライブに載せていました。
違和感の始まり
ライブ67取引の時点で、1取引あたりの期待値が-49円。バックテストの同期間は-50円。つまり測定は合っている。合っているのに負けている。
ここでClaudeと一緒に「トレール(出口)が悪いのでは」という仮説を立てて、v5.0として出口を全面改修しました。トレール発動距離と幅を0.1〜16×ATRまで2桁以上の範囲で総当たり。IS期間(2025年8月〜2026年4月)では最良案が+391,756円と、v4.02を上回りました。
OOSで全滅
ところがOOS(2026年4月〜7月、パラメータ決定に一切使っていない期間)では全案が赤字。IS最良案のOOSはPF0.536で、改修前のv4.02(0.574)より悪い。直近1ヶ月も全案赤字。合格案ゼロ。
| 期間 | 設定 | 取引 | PF | 純益 |
|---|---|---|---|---|
| IS | v4.02(対照) | 10,946 | 1.128 | +364,644 |
| IS | v5 IS最良 | 約11,000 | — | +391,756 |
| OOS | v5 IS最良 | 1,315 | 0.536 | -80,738 |
| OOS | v4.02 | 1,369 | 0.574 | -68,566 |
ISとOOSに相関がない。ということは、IS成績で設定を選ぶこと自体が過剰適合だった、ということです。
診断して分かった本当の構造
v5には「利益上位20件の明細」を出す診断機能を付けていました。トレールを切った状態で内訳を見ると、約82%が建値ロックのスクラッチ(+22円)、約16%がSL全損(-847円)、そして約2%(76件)の60〜320pipsの大ランナーが総利益の84%を作っていました。
つまり収益源は「たまに来る大ランナー」だけ。出口をどう変えても期待値は改善しない。しかも僕らの改修仮説「極小トレールが勝ちを頭打ちにしている」は真逆でした。極小ラチェットこそ黒字の源で、距離を広げると単調に悪化していた。
もう一つのやらかし:ティックモデル
さらに恥ずかしい話。初期の「PF1.2」は生成ティックでの数字でした。実ティックで同条件を回すと利益は約1/4.4、ドローダウンは6倍。M1のATRは約2.5pipsしかないので、モデリング誤差がそのまま黒赤を反転させます。
結論
出口パラメータを2桁掃引して全域OOS赤字なら、入口にエッジがない。改修を打ち切る。
ライブは停止のまま。EURUSD版・GBPUSD版も同じロジックなので載せない。悔しいけれど、67取引・数千円の授業料でここまで分かったのは安い方だと思うことにしました。
この失敗から「ラボの鉄則」を10個書き出しました。次回はそれを。
コメントを残す