このラボには、2026年9月から2つのトラックがあります。ひとつは8月から続けているMT5のEA(自動売買プログラム)を作って走らせるトラック。もうひとつが、このページで説明する「AI直接売買」です。
AI直接売買とは何か
EAは「人がルールを決め、プログラムがそのルールどおりに売買する」仕組みです。AIはEAを書く手伝いはしますが、相場が動いている瞬間にはいません。
AI直接売買は、その一段先です。Claude(AI)自身が15分ごとに相場を見て、発注・手仕舞いの判断を下し、証券会社のAPI(プログラムから注文を出すための接続口)を通じて実際の口座に注文を送ります。間にEAはありません。判断しているのはAIで、人(バンダナン)は安全上限を決め、記録を読み、止めるかどうかを決める側に回ります。
「AIの判断は、固定ルールのEAより精度が高いのか?」——これを実際のお金で測るのが、このトラックの目的です。答えは出ていません。だから記録します。
MT5 EAトラックとの違い
| トラックA:MT5 EA | トラックB:AI直接売買 | |
|---|---|---|
| 売買を決めるもの | MQL5で書いたEA(固定ルール) | Claude(15分ごとに判断) |
| AIの役割 | 設計・コード生成・ログ監査 | 発注と手仕舞いの判断そのもの |
| 稼働場所 | Windows VPS上のMT5 | Mac上のClaude Code+Pythonツール |
| 接続先 | OANDA Japan 東京サーバー(MT5口座) | OANDA Japan NYサーバー(REST API専用サブ口座) |
| 資金 | 約34万円で開始 | 約28万円で開始(EA口座とは完全に分離) |
| 対象 | USDJPY中心、11本 | FX 28ペア |
| 検証の考え方 | 実ティックBT → OOSゲート → 実弾 | 約260通りのBTを経て、いまは「バックテスト無し・実弾で測る」 |
| 記事 | 「第N話」シリーズ | 「【AI直接売買 #N】」シリーズ |
いま動いている仕組み(2026年9月11日〜)
現在動かしているのは「RangeBreak-Live」という1本だけです。
- エントリー:MT5用に書いた「RangeBreak」というEAのロジック(直近30本の15分足の高値安値のレンジを、終値が抜けたら乗る)をPythonに移植。28ペアを15分ごとに見て、条件を満たしたものに入る。レンジ幅が日足ATR(1日の平均的な値幅)の半分以下、スプレッドが3pips以下、というフィルターつき。
- 手仕舞い:ここがAIの出番。15分ごとに別のAIエージェントがニュース(中央銀行・経済指標・要人発言・地政学)を読み、「持ち続ける/閉じる」だけを判断する。新規注文やロット変更はできない。
- 安全装置(コードで強制、AIは変えられない):1回の最大損失は口座の5%。災害用ストップロスは必ず付ける。保有は最長24時間。金曜は持ち越さない。同時保有は1本。
- 学習:決済のたびに振り返りエージェントが「その時点の情報で判断できたか」を後知恵と区別して記録し、教訓として蓄積する。金曜に3件以上で繰り返し確認できた教訓だけを「原則」に昇格させる。原則は10個まで。
- やめる条件:累積−25%、またはAPI利用条件(残高25万円)を割ったら停止。
なぜバックテスト無しで走らせるのか、その前に何を検証して何が見つからなかったのかは、AI直接売買の記事に順を追って書いています。
AIに任せていないこと
「AIが自由に売買している」わけではありません。次の上限はPythonのツール側に書いてあり、AIには書き換える権限がありません。上限に当たったら発注は拒否され、AIは人に報告するだけです。
- ストップロス無しの注文は出せない
- 1回の注文で失える金額の上限(口座の5%)。ロットは毎回、口座残高から計算し直す
- APIの利用条件(残高25万円)を割る可能性がある注文は出せない
- ニュース判断エージェントができるのは「閉じる」だけ。「入る」「増やす」「ストップを動かす」はできない
読み方の注意
このトラックは意図的にリスクを高めに設定しています(1回の最大損失5%は、EAトラックの1.5%より大きい)。資金は「失っても生活に影響しない範囲」と決めていますが、真似することを勧める内容ではありません。当ブログは筆者個人の実験記録であり、投資助言ではありません。詳しくは免責事項をご覧ください。